2026. 3.26 70歳現役時代を勝ち抜く!「攻めの再雇用制度」の作り方

大成ロテック事件(東京地判令7・3・11) 
70歳まで継続雇用、業績悪化して66歳で雇止め 65歳以降の更新期待認めず

70歳までの就業確保は「メリハリ」が成功の秘訣

今回の裁判では、65歳までの「義務」としての雇用と、66歳以降の「努力義務」としての雇用を明確に区分して運用することの重要性が示されました。この「区別」こそが、企業が安心してベテランを活用し続けられるセーフティネットになります 。

柔軟な契約形態が「持続可能な雇用」を生む

なぜ、会社側の雇止めが適法とされたのでしょうか。
それは、法律(高年齢者雇用安定法)の段階的なステップに合わせた制度設計をしていたからです。

65歳まで: 希望者全員を対象とする「継続雇用制度」として運用。

65歳以降: 企業のニーズと個人の能力をマッチングさせる「契約社員」として別途定義 。

このように「65歳からはお互いの合意と必要性に基づく新しいステージ」と定義することで、企業は業績変化などのリスクに対応しつつ、意欲ある高齢者に長く活躍してもらう土壌を作れるのです 。

業績悪化という「もしも」に備えた誠実な対応

大成ロテック社は、ベテラン社員を大切にしながらも、経営危機に際して以下のステップを踏みました。

ルールの透明化: 「65歳以降は会社が必要と認めた場合に契約する」という基準を全従業員に周知していました 。

丁寧な合意形成: 業績悪化に伴い契約を終了する際、事前に「次回の更新はない」という不更新条項を契約書に盛り込み、本人に説明しました 。

公平な運用: 原告だけでなく、他の社員に対しても同様の基準で厳格に契約判断を行っていました 。

この「事前の周知」と「契約時の明文化」があったからこそ、裁判所も会社の苦渋の決断を正当なものと認めたのです 。

ベテランが輝き続ける組織であるために

高齢者雇用の推進は、単に「辞めさせない」ことではありません。「どのような条件で、いつまで働いてもらうか」という出口のルールを明確にすることで、経営者は安心して雇用を延長でき、社員も納得感を持って働けるようになります。

「70歳まで働ける環境を作りたい。でもリスクが怖い……」とお悩みの経営者の皆様。
まずは、65歳を境にした「雇用区分の見直し」から始めてみませんか?